お寺

今日の業務は寺施行でした。
真言宗の、あまり大きくはないけれど静かなお寺。

先に来ているはずの担当者が来ておらず、途方に暮れながら社務所を訪ねると、
作務衣をお召しになった若いご住職が出て来られました。

「お坊さんってホントに普段は作務衣着てるんだ…」

などと考えつつ訪問の旨を告げますと、湯灌は初めてらしく、
かな〜り戸惑ったご様子。
とりあえず一通りの説明をし、本堂で執り行うこととなりました。

しかしそのご住職、席を外さない。
普段は葬家にも見せない準備や処置なども、ずっと見ておられる…
（結局最後までそばでご覧になってた）

葬家が揃うまでの間、少しお話する時間がありました。

曰く、
「私たちは普段、綺麗にきちんと棺に納められた仏さんしか見ない。
　だから湯灌でどういう事をし、どういう手順を経て棺に入るのか、
　良い機会だから見ておきたかった」

一介の湯灌屋がこんなこと、おこがましいのですが。
なかなか志の高い住職さんだなと思いました。
若いなりに斬新（？）なお考えもおありのようで、

例えば、祖母なり祖父の葬儀に子供を連れて来ない親が増えている。
死を穢れたものと決め付けずに、命の尊さを学べる良い機会なのだから
もっと積極的に参加させたり見せたりするべきだ。
そういう家庭が増えているから、安易に凶行に走る若者も増える。
残酷な少年犯罪が増える世の中になる。

そんなことも仰っていました。
偏った見方なのかもしれませんが、私は概ね同意です。

家の宗派が何なのか、よくわかっていないのですが、
個人的に私は浄土宗が好きで、自分の葬式には浄土宗のお坊さんを呼んでほしいと思っています。
というのは以前に、寺施行で今日のように若いご住職とお話する機会があり、
その時も優しい印象を受けたので興味を覚え、本などで調べたら、
比較的やさしい宗派であると。
京都へ行った時に総本山である知恩院を訪ねてみたら、その空気が何というか優しい。
そのお寺も静かで綺麗で、穏やかな雰囲気が漂っていました。

嫌いな宗派というのも、残念ながらあります。
横柄で、私らには勿論、檀家である葬家に対しても威張り散らしている
ご住職が多い宗派っていうのもありますので…
何故か、その宗派のお寺って、今日のお寺や知恩院に行った時のような、
心が落ち着く印象がないんですね。
寧ろ、あまりいい雰囲気を感じない。

やはりそういうのは表れるものなのでしょうか。

そんなこんなで浄土宗もいいけど真言宗もいいな、などと思った次第です。
別に若くてなかなか素敵なご住職に当たったからじゃないのです（笑）